没後20年後を迎える作家の<エッセイ選集>。
食、酒、旅、ベトナム戦争、そして、アマゾン川とジャングル・・・。
1958年から1983年までの、四半世紀にわたる開高健のあゆみを辿る。
11篇の書評も収録。
本日、光文社文庫より発売された、開高健エッセイ選集第三弾です。
第一弾は「白いページ」、第二弾は「眼ある花々 / 開口一番」。
早速書店に走り買ってきました。
ああ。二十五年 開高健エッセイ選集(光文社文庫)
I では、アウシュビッツ、アマゾン、釣り、酒、食べ物、金子光晴、サルトル・・・、開高さんならではというテーマで書かれたエッセイが年代を追って紹介されています。
II では、ベトナム関連の記事が、戦場へ行く前から、ベトコン急襲、そして停戦まで収録されています。
週刊朝日に寄せられた、「ジャングルの火線に立つ」は、「ベトナム戦記」よりも生々しく風景が伝わってきます。
タイトル通り、開高さんの二十五年を辿れる一冊。
初めて読む人にもおすすめです。
パイプの楽しさを知る人は、静謐の貴さを知る人だ、と私は思う。
たとえばシガレット(紙巻)には何かしらビジネスに似たところがあるのじゃないか。
「シガレットはビジネスであり、パイプは男の孤独の伴侶だ」
といった意味の一文をどこかで読んだこともある。
パイプこそ遊びとしての喫煙の楽しさをもっとも満喫させる手段なんだナ。
その時目撃したキャバレーの女性のバラバラの肉体、血まみれの腸、目玉、太ももを忘れようとしても忘れられないけれども、日本に帰っていざ書こうとすると、意外にもその悲惨な光景が消えて、道端のハイビスカスの花がどう揺れていたかがよみがえってくる。
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