【その他の本】ベトナム戦争(コレクション 戦争×文学)

ベトナム戦争(コレクション 戦争×文学)

遠くて近い戦争を、改めて知る試み。
開高健や沢田教一ら、作家や戦場写真家たちがベトナムで見た戦争の真実、日本国内での戦争の影響を描いた小田実、
中上健次たち。小説とルポルタージュを収録し、ベトナム戦争の本質を描き出す。

ベトナム戦争(コレクション 戦争 × 文学)
ベトナム戦争(コレクション 戦争 × 文学)

開高健作品からは「岸辺の祭り」「姿なき狙撃者!ジャングル戦」の二つを収録。
集英社創業85周年記念企画 「戦争×文学」コレクション全20巻のうちのひとつ。

そのほかの収録作品

日野啓三 「向う側」
南木佳士 「重い陽光」
辺見庸  「迷い旅」
吉岡忍  「綿の木の嘘」
岡村昭彦 「南ヴェトナム前線へ」
石川文洋 「南ベトナム海兵大隊」
沢田教一 「17度線の激戦地を行く」
松本清張 「ハノイからの報告」
一ノ瀬泰造「カンボジア報告」
又吉栄喜 「ジョージが射殺した猪」
中上健次 「日本語について」
堀田善衞 「名を削る青年」
村上龍  「地獄の黙示録」
小田実  「戦争」

集英社「戦争×文学」

【エッセイ】ああ。二十五年

開高健「ああ。二十五年」

没後20年後を迎える作家の<エッセイ選集>。
食、酒、旅、ベトナム戦争、そして、アマゾン川とジャングル・・・。
1958年から1983年までの、四半世紀にわたる開高健のあゆみを辿る。
11篇の書評も収録。

本日、光文社文庫より発売された、開高健エッセイ選集第三弾です。
第一弾は「白いページ」、第二弾は「眼ある花々 / 開口一番」。
早速書店に走り買ってきました。

ああ。二十五年 開高健エッセイ選集(光文社文庫)

ああ。二十五年 開高健エッセイ選集

【エッセイ】白いページ

開高健「白いページ」

「純潔無比の倨傲な大岩壁をしぼって液化したかのようである」新潟・銀山平の水を「飲む」。
二〇〇人の部隊のうち十七人しか生き残らなかったヴェトナム戦争の最前線を回想し「弔む」。
老釣師から鮎釣りの秘技を「伝授される」―。
動詞系をタイトルに、あらゆる事象を多元的な視点で捉え、滾々と湧き溢れる言葉で表現していく。
行動する作家が遺した珠玉のエッセイ集。

光文社文庫、開高健エッセイ選集第一弾。
「飲む」「驚く」「聞く」「狂う」「書く」・・・。
以前の文庫版は角川文庫から三冊にわけて売られていました。
それをひとつにまとめてあるので、文庫本とは思えないほどのボリュームです。

白いページ 開高健エッセイ選集(光文社文庫)

白いページ 開高健エッセイ選集

酒を飲んでいるとたいてい昔のことを思いだす。
昔のことを思いださずに酒を飲むというようなことはあり得ないね。
ということはダ、なつかしいか、にがいか、それは人によるとして、つまり弔辞を読んでいるということなんだよ。
みんな酒を飲むときはそれと知らずに弔辞を読んでいるのだよ。

作家にとって文体を変えるということはシャツを変えるようなことではなく、むしろ、皮膚を変える、といいたくなるような苦業である。

酒だろうと、香水だろうと、ハタまた文学であろうと、お粗末品すべてにつきまとうイヤらしさをよくよくおぼえておくのが上物を味得するもっともたしかな、狂いのない方法である。
日頃どれだけお粗末品をたしなんでいるかによってどれだけ上物の全域と真髄が察知できるかがキマる。

第二弾として「眼ある花々 / 開口一番」、第三弾として「ああ。二十五年」が発売になりました。

【動画】マジェスティックホテル

HOTEL MAJESTIC(マジェスティックホテル)SAIGON VIETNAM



日本人向けにつくられた、ベトナムのホテル公式ガイドムービーです。
この動画で紹介されるマジェスティックホテルは、朝日新聞社の臨時海外特派員としてベトナム取材に行っていたときに定宿にしていたホテル。
動画の中で開高健が泊まっていたという部屋が紹介されます。

HOTEL MAJESTIC
日本語のページ(おもしろい)もあります。

【講演CD】講演CD発売

2009/10/30 新潮社より講演を収めたCD発売。

やっと、ついに、開高健の講演がCD化されました。

開高健講演CD発売

経験・言葉・虚構 / 地球を歩く(新潮CD)

経験・言葉・虚構/地球を歩く

「言葉」というものの本質を様々な側面から論じた「経験・言葉・虚構」。
自ら見聞した文明の爛熟と自然の危機という状況について警鐘を鳴らす「地球を歩く」。
ペンを持って戦場をかけめぐり、釣り竿をかついで大自然を漫歩した現代屈指の行動派作家が、ずぬけた知性とユーモアをもって語った41歳と53歳の二つの時期の講演を収録。

この二つの講演は、以前新潮カセットで発売されていたものと同じなので、聴いたことのある方も多いのではないでしょうか。

足で考え、耳で書く / 雨の日には釣竿を磨きながら(新潮CD)

足で考え耳で書く/雨の日には釣竿を磨きながら

世界中の紛争地域で拾い集めた貴重なエピソードを語った「足で考え、耳で書く」。
ウォルトン、太公望、幸田露伴など古今東西の釣りの達人の蘊蓄を紹介する「雨の日には釣竿を磨きながら」。
すぐれたルポルタージュ作家としての顔と釣り師としての顔を持つ開高健の、55歳と43歳の時の講演。

こちらの二つの講演は私の知る限り初の商品化です。
発売を知りすぐに本屋さんに走りましたが近所の数軒には在庫なし、ネットでもどこも取り寄せになるとのことだったので、現在アマゾンに注文中です。

没後20年、ということで絶版になっている文庫も復刊されると開高ファンとしては嬉しいのですが。

追記:
紀伊國屋 BookWeb に在庫がありました。
CD>足で考え、耳で書く/雨の日には釣竿を磨きながら 新潮CD
CD>経験・言葉・虚構/地球を歩く 新潮CD

【その他の本】一言半句の戦場

開高健「一言半句の戦場—もっと、書いた!もっと、しゃべった! 」

1958年4月の別冊文藝春秋収録「写真の背景」から、長良川の河口堰建設に反対した1989年8月の「小説家は怒っているのである」までの30年間、さまざまな媒体に書き、しゃべった開高健の未収録作品集。
知的かつ饒舌なエッセイ、コラム、対談、インタビュー他。
加えてユニークな年譜、関係者の思い出も収録。

一言半句の戦場 -もっと、書いた!もっと、しゃべった!

【動画】ベトコン少年、暁に死す「ベトナム戦記」

開高健「ベトナム戦記」ベトコン少年、暁に死す

再生注意!(銃殺刑の映像です)



ベトナム戦記」や「輝ける闇」で描かれたベトコン少年の公開処刑。

この広場では、私は《見る》ことだけを強制された。
私は軍用トラックのかげに佇む安全な第三者であった。
機械のごとく憲兵たちは並び、膝を折り、引金をひいて去った。
子供は殺されねばならないようにして殺された。
私は目撃者にすぎず、特権者であった。
私を圧倒した説明しがたいなにものかはこの儀式化された蛮行を佇んで《見る》よりほかない立場から生れたのだ。
安堵が私を粉砕したのだ。
私の感じたものが《危機》であるとすると、それは安堵から生れたのだ。
広場ではすべてが静止していた。
すべてが薄明のなかに静止し、濃縮され、運動といってはただ眼をみはって《見る》ことだけであった。
単純さに私は耐えられず、砕かれた。

「ベトナム戦記」より

誰かの味方をするには誰かを殺す覚悟をしなければならない。
何と後方の人びとは軽快に痛憤して教義や同情の言葉をいじることか。
残忍の光景ばかりが私の眼に入る。
それを残忍と感ずるのは私が当事者でないからだ。
当事者なら乗りこえられよう。
私は殺しもせず、殺されもしない。

「輝ける闇」より

【ルポルタージュ】ベトナム戦記

開高健「ベトナム戦記」

この本は1964年末から65年初頭にかけて、開高健がサイゴンから「週刊朝日」に毎週送稿したルポルタージュを、帰国した開高自身が大急ぎでまとめて緊急出版したものである。

朝日新聞社臨時海外特派員としてベトナム戦争を取材した、従軍ルポルタージュ。
この体験をもとに書かれた小説が「輝ける闇」。
秋本啓一氏による生々しい写真も多数収録されています。

ベトナム戦記(朝日文庫)

ベトナム戦記

私はおしひしがれ、「人間」にも自分にも絶望をおぼえていた。
数年前にアウシュビッツ収容所の荒野の池の底に無数の白骨の破片が貝殻のように冬の陽のなかで閃いているのを見たとき以来の、短くて強力な絶望だけが体を占めていることを発見した。

あとでジャングルのなかで集結したとき、私は30名ほどの負傷兵を見た。
あたりはぼろきれと血の氾濫であった。
彼らは肩をぬかれ、腿に穴があき、鼻を削られ、尻をそがれ、顎を砕かれていた。しかし、誰一人として呻めくものもなく、悶えるものもなかった。
血の池のなかで彼らはたったり、しゃがんだりし、ただびっくりしたようにまじまじと眼をみはって木や空を眺めていた。
そしてひっそりと死んだ。
ピンに刺されたイナゴのようにひっそりと死んでいった。
いまたっていたのがふとしゃがんだなと思ったら、いつのまにか死んでいるのだった。

【動画】あの人に会いたい

開高健「あの人に会いたい」


削除されました


2005年6月5日放送。
茅ヶ崎の自宅(今の開高健記念館)で収録されています。

ここ以外のところならどこへでもいきたい。

どんだけ純粋を求めても必ず別のものが入ってくる。
それが入ってくることで、強くなり豊かになれるのではないですか。

危機と遊び、男が熱中出来るのはこの二つ。

【小説】夏の闇

開高健「夏の闇」

ヴェトナム戦争で信ずべき自己を見失った主人公は、ただひたすら眠り、貪欲に食い、繰返し性に溺れる嫌悪の日々をおくる・・・が、ある朝、女と別れ、ヴェトナムの戦場に回帰する。
“徒労、倦怠、焦躁と殺戮”という、暗く抜け道のない現代にあって、精神的混迷にかざす灯を探し求め、絶望の淵にあえぐ現代人の《魂の地獄と救済》を描き、著者自らが第二の処女作とする純文学長編。

輝ける闇」後の主人公を描いた作品。
雨のパリ、夏のドイツ、湖でパイクを釣るシーンもあります。

夏の闇(新潮文庫)

夏の闇

最初の一匹はいつもこうなんだ。
大小かまわずふるえがでるんだよ。
釣りは最初の一匹さ。
それにすべてがある。
小説家とおなじでね。
処女作ですよ。
だからおれは満足できた。
もういいんだ。
魚は逃がしてやりなさい。
おれたちは遊んでるんだ。

入ってきて、人生と叫び、出ていって、死と叫ぶ。


直筆原稿版もあります。

直筆原稿版「夏の闇」(原寸大・函入・部数限定)

直筆原稿版「夏の闇」

小説家・開高健が心血を注いだ代表作を、408枚の直筆生原稿そのまま、原稿用紙の質感に迫る原寸大で再現。
精緻で圧倒的な小説世界が、作家の筆遣い、息遣いとともに直に伝わってくる特別愛蔵版です。
担当編集者による解説、編集者マグナカルタ(直筆)なども同梱。

詳細情報→開高健記念会ニュース

英語やフランス語、ロシア語など各国語に翻訳されています。

Darkness in Summer / TAKESHI KAIKO(英語版)

夏の闇 英文版―Darkness in Summer

【小説】輝ける闇

開高健「輝ける闇」

銃声が止んだ……虫が鳴く、猿が叫ぶ、黄昏のヴェトナムの森。
その叫喚のなかで人はひっそり死んでゆく。
誰も殺せず、誰も救えず、誰のためでもない、空と土の間を漂うしかない焦燥のリズムが亜熱帯アジアの匂いと響きと色のなかに漂う。
孤独・不安・徒労・死――ヴェトナムの戦いを肌で感じた著者が、生の異相を果敢に凝視し、戦争の絶望とみにくさをえぐり出した書下ろし長編。

朝日新聞社の記者として南ベトナム政府軍に従軍した体験を元に書かれた小説。
ベトナム戦争を主題とした文学としては最も有名な作品の1つ。
夏の闇」へと続きます。

輝ける闇(新潮文庫)

輝ける闇

徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。
私は自身に形をあたえたい。
私はたたかわない。殺さない。助けない。耕さない。運ばない。
扇動しない。策略をたてない。誰の味方もしない。
ただ見るだけだ。
わなわなふるえ、目を輝かせ、犬のように死ぬ。

英語やフランス語など各国語に翻訳されています。

INTO A BLACK SUN / TAKESHI KAIKO(英語版)

Into a Black Sun
 

このサイトについて

開高健(かいこうたけし)
1930年12月30日〜1989年12月9日
ベトナム、アラスカ、モンゴル・・・
世界を股にかけた行動する作家、開高健のあれやこれやを紹介するサイトです。
リンクはどこでもご自由に。

いろいろ

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