【名言】橋の下をたくさんの水が流れた

開高健の言葉

橋の下をたくさんの水が流れた

いろんな作品に出てくる言葉。
小説 「夏の闇」 では、女と再会するシーンでつかわれています。

「何年ぶりかしら」
「十年だね」
「そうね」
「かれこれ十年だよ」
「そうね」
「たくさんの水が流れたのさ」
 ふいに女が高い声で笑い、
「橋の下をね」
 といった。

ヨーロッパの諸語でも慣用句として同じ表現が見つかります。

(英)A lot of water has flowed under the bridge since then.
(仏)Il passera bien de l'eau sous les ponts.
(伊)Ne e' passatta d'acqua sotto i ponti.

もとはフランスの詩人、ギヨーム・アポリネール の詩から、というのをどこかで読んだ気が・・・。
ハンフリー・ボガート主演の映画「カサブランカ」にもこの表現が出てきます。

アポリネール詩集 (新潮文庫)
今も歌われるシャンソンの名曲「ミラボー橋」の作者アポリネールは、20世紀初頭のパリで、前衛芸術の旗手として、詩、小説、演劇に縦横の活躍をみせ、近代詩から現代詩への方向を決定づけた才人だった。抒情と実験精神をあわせもった彼の詩を精選して収録。

カサブランカ [DVD] FRT-017
1941年12月、モロッコの都市カサブランカ。欧州の戦災を逃れた人の群れは、ポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとしていた。アメリカ人男性のリックは、パリが陥落する前に理由を告げずに去った恋人イルザ・ラントと、彼が経営する酒場「カフェ・アメリカン」で偶然の再会を果たす・・・。

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このサイトについて

開高健(かいこうたけし)
1930年12月30日〜1989年12月9日
ベトナム、アラスカ、モンゴル・・・
世界を股にかけた行動する作家、開高健のあれやこれやを紹介するサイトです。
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