開高健のキャビア・キャビア・キャビア—謎の古代魚チョウザメを追って—(1〜8)
削除されました
フォアグラ、トリュフと並んで世界の三大珍味のひとつにあげられるキャビア。
開高健が、様々な謎と底知れぬ魅力に包まれたキャビアを、あらゆる角度から解体していきます。
周知の通り、キャビアの産みの親はチョウザメです。
海の生きた化石、シーラカンス同様、古代から約2億年、まったくと言っていいほど進化せずに生き残ったチョウザメは、数十年の寿命を持ち、巨大なものは700キロ以上にまで成長します。
開高は自らの手でこのチョウザメを釣り上げ、魚類学者の助けを借りて、この魚の謎に挑みます。
キャビアの文字はシェークスピアの作品や、ロシア、ロマノフ王朝の逸話から発見することができますが、この「宝石」が一般の食卓に上ったのは19世紀に入ってからのこと。
わずか数十年のうちに世界最高の珍味といわれるようになったのは、本当にその味ゆえなのでしょうか?
また当時東側諸国で主に産出され、西側で消費されるという変則的な流通と価格の謎。
ひとつの食品としては異例ともいえるイミテーション品の数々。
開高は自らモスクワ、カナダ(フレーザー川)、カスピ海、ニューヨーク、パリへ出向き、約半年の完全取材の末キャビアの全貌に迫ります。
ニューヨークのペトロシアン(PETROSSIAN)でブルック・シールズとキャビアを食べるシーンも。