開高健「パニック」「裸の王様」「巨人と玩具」「流亡記」
「パニック」
20年に一度という笹の実の大豊作は、ネズミの大発生を引き起し、彼らのエサ捜しは大規模な自然破壊をもたらした。保身を図る小役人たち、右往左往するだけの一般大衆・・・。
「裸の王様」
幼児の絵画教育をテーマに子供のコンプレックスを砕き、自由に生き生きとした人間性を引き出すプロセスを描いた芥川賞受賞作。
第38回芥川賞を大江健三郎の「死者の奢り」とを争い僅差で受賞、開高健の名を世に知らしめた作品。大江健三郎は翌年「飼育」で第39回芥川賞受賞。
「巨人と玩具」
製菓会社間の熾烈な生き残り戦をテーマにした作品。
映画(「巨人と玩具」増村保造監督)にもなりました。
「流亡記」
秦の始皇帝の時代の一庶民を非情に描いた作品。
F.K.に捧ぐ。
カフカ(フランツ・カフカ - Wikipedia)の断片をもとに書かれた作品。
開高健自身、ずばり先生の厖大なる著作の中で一冊、何を推薦しますか? という問いに、朝読むなら「流亡記」と答えています。(夜読むなら「夏の闇」)
以上、4つの初期短編が収録されています。
映画「巨人と玩具」
異才・増村保造監督の代表作をDVD化。
開高健の同名小説を映画化した社会派ドラマ。
元気と笑顔が取り柄の平凡な娘・京子が、ひょんなことからスターダムにのし上がっていくが、巨大な消費社会の手の上で弄ばれるようになってしまう。
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