【釣りの本】オーパ、オーパ!!モンゴル・中国篇 スリランカ篇

開高健「オーパ、オーパ!!モンゴル・中国篇 スリランカ篇」

幻の魚イトウを追ってモンゴルの奥地へ。
空前の巨魚を求めて中国最深部へ。
そして、とてつもない質と量の宝石が眼前に。
興奮と感動の「オーパ!」シリーズ完結。

原始の静寂の湖面に白波が走る。12メートルの巨魚か怪獣か。小説家は書斎の闇を抜け出し、幻の魚イトウを追ってモンゴル奥地へ、そして空前の巨魚を求めて中国最深部へ・・・。(モンゴル・中国篇)
清澄。豪奢。絢爛。沈痛。とてつもない質と量の宝石が小説家の眼前にひろがる。熱帯の却初の煌めきが、眼を射る。(スリランカ篇)

「オーパ!」シリーズ第四弾。(完結)
イトウ、パイク、ブラウントラウト・・・そして体長9〜12メートルといわれる巨魚をもとめて中国最深部、ハナス湖へ。
羊肉の水煮やハイルマク(お菓子)、アイラグ(馬乳酒)といった食べ物、ゲル、タルバガン(モルモット。北米ではプレーリー・ドッグ)猟などなど、モンゴルの生活についても詳しく描かれています。
スリランカでは、紅茶をすすりつつ、宝石の鑑賞を。
池原ダムと琵琶湖でのブラックバス釣りも収録されています。

オーパ、オーパ!!〈モンゴル・中国篇・スリランカ篇〉(集英社文庫)

オーパ、オーパ!!〈モンゴル・中国篇・スリランカ篇〉

あった。やった。ついにやった。
かくて彷徨は終る。
おおいなる声が川をわたっていった。

心はホラ吹き男爵、
眼は科学者、
腕は釣師の三位一体。

バイエルンの戦慄と呼ばれ、ナクネク河の恐怖と呼ばれ、オタワの奇跡、アマゾンの歓喜、コスタリカの執念、キーナイ河の忍耐と呼ばれた私なのに(みんな私が自分で自分をそう呼んでいるだけであるがネ・・・)、あちらこちらで中学生や高校生がひょいひょい釣っている五十センチのブラックバスが釣れない。

面白いのは最終行程の機械で、これは出来上がった紅茶に等級をつける。
ある工場で見たそれは、三つの吐出口を持っていた。
左へ飛ぶのはブロークン・オレンジ・ペコー、右へ飛ぶのはオレンジ・ペコー・ファニング、まっさかさまに下へ飛びだしていくのは "ダスト(埃)" と呼ばれる。
それが三つのうちでいちばん大量であるように見える。
「ダストといいますと?」なにげなくたずねると、
「ティー・バグ用ですよ」そっけなく答えて、ニコニコしている。

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このサイトについて

開高健(かいこうたけし)
1930年12月30日〜1989年12月9日
ベトナム、アラスカ、モンゴル・・・
世界を股にかけた行動する作家、開高健のあれやこれやを紹介するサイトです。
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