【エッセイ】知的な痴的な教養講座

開高健「知的な痴的な教養講座」

知性と痴性を見事にブレンド。
お酒のTPO、宗教、哲学、ファッション、エトセトラ・・・。
博覧強記の作家・開高健が男の世界の森羅万象を語り尽くした魅力あふれる教養エッセイ。
1ページに一度はニヤリと笑い、ウーンと唸ります。

小さな死 ジョルジュVの廊下 馬馬虎虎 偶客婚 カルマ 風が吹けば桶屋がもうかる 変態 コールド・ターキー 石斑魚 地獄 ピジョン・イングリッシュ 隣の畑 王様の服 ビギナーズ・ラック ノブレス・オブリージュ 宗教は阿片か 『旅情』 シングル・モルト・ウイスキー 潮吹き 輪廻 ゴッドとサル 人類は滅亡する シャンゼリゼのマクドナルド 落ちた偶像 アニミズムと北斎 コモン・センス 潮吹き(補遺) 歴史の振り子はどっちに振れる? 英雄は色を好むか コラム ワインのなかの二人の女 職業としての文学 ブルジョア CMとヒトラー クラフトマン・シップ 究極のスーツは紺色 世紀末 戦場の『七年目の浮気』 ライスワイン ピョートル大帝 香水 内蔵料理 リンの玉 意馬心猿 目には目、歯には歯 先祖たちのしゃれた言葉 幻のホー・チミン 歴史は連鎖する 魚心あれば リンの玉 異聞
以上、全50章の知的な痴的な教養講座。

知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

「小さな死」はフランス語の petite mort ———死ほど完璧な眠りではないが、情事の後の眠りはそれにつぐほど完璧に近いから、小さな死と呼ぶわけである。

さて、シングル・モルトとブレンデッドのどちらがいいか———は、飲む人間の好みの問題である。
好きか嫌いかというだけのことである。
すべての批評はこれに尽きる。
その後のいっさいは、たわごとである———と、正直ジョージ・オーウェルが文学批評について書いたことがあるが、ウイスキーについても同様である。

そして唯一本、手元に残ったのは———自分で買ったのか、いつだれかから貰ったものか、どうやってわたしのもとに漂い着くことになったのかわからないモンブランの中字用(MONTBLANC 149)の万年筆だけだった。
以来、このモンブラン一本やりで、その一本のペン先を取り替え、取り替えして使っている。
じつに手にぴったりおさまってくれ、これなくしてわたしは原稿が書けない。

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このサイトについて

開高健(かいこうたけし)
1930年12月30日〜1989年12月9日
ベトナム、アラスカ、モンゴル・・・
世界を股にかけた行動する作家、開高健のあれやこれやを紹介するサイトです。
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