氷寒の河岸にひしめくキングサーモン、水面を裂く白銀のターポン。
巨大な獲物に挑んで、竿がしなり、リールが悲鳴をあげる!アラスカから中米のジャングルへ、小説家が燃えた冒険フィッシング。
かつて砂金掘師が狂奔したアラスカの河岸に、世界中の釣師が、巨大なキングサーモンを狙ってひしめく。小説家はバック・ペイン(背痛)をおして氷寒の生と死の円環の中に、輝く虚無となって立つ。(アラスカ至上篇)
中米のジャングルの河面を銀色の巨体が破る。疲れを知らぬ河の主、ターポン。剛竿がしなり、リールが悲鳴をあげる―。小説家との長い長い格闘が始まった。(コスタリカ篇)
「オーパ!」シリーズ第三弾。
アラスカではキングサーモンを筆頭に、シルヴァーサーモン、レッドサーモン、ニジマス、アークティックチャー、ドリーヴァーデン、コスタリカではターポン、ガスパール、スヌーク、グァポテ・・・。
カリブーハンティングもあります。
前回から参加の谷口教授は今回も、日本では考えられないような食材(野豚やカメ、蛇、イグアナなどなど)をつかった豪快な料理で楽しませてくれます。
もちろん、写真家、高橋曻氏による迫力ある写真も多数収録。
オーパ、オーパ!!〈アラスカ至上篇 コスタリカ篇〉(集英社文庫)
キング・サーモン
私は虚脱してすわりこむ。
全身がふるえ、腕がふるえ、手がふるえ、ラッキー・ストライクがふるえる。
三十四時間の焦燥と緊迫と疲労は霧散した。
一滴の光が獲得できた。
瞬間は手にできた。
虚無の充実で輝きわたる。
ターポン
魚を釣りたかったらコスタリカへいけ。
男になりたかったらターポンを釣るんだ、諸君。
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