ベーリング海の孤島セント・ジョージから北米、カナダの大河へ。
野獣オヒョウ、名魚ブラックバス、怪魚スタージョン・・・豊饒の海で、砂漠の湖で小説家の剛竿が熱く躍る。
ベーリング海の孤島セント・ジョージ。荒波に翻弄される小舟から、小説家開高健は釣糸を垂れる。待つこと10日。豊饒の海に潮満ち、剛竿が悲鳴をあげる。北海の野獣オヒョウとの格闘が始まった。(アラスカ編)
更には北米の砂漠、ミード湖の名魚ブラックバス、洒落者ストライパー等々。カナダの大河にひそむ珍味キャビアの母にして太古を生きるスタージョンに挑む。(カリフォルニア・カナダ篇)
「オーパ!」シリーズ第二弾。
アラスカではオヒョウ(ハリバット、表紙の魚)、キングサーモン、カナダではスタージョン(チョウザメ)、ウォールアイ、ノーザンパイク、カリフォルニアではブラックバス、ストライパー、クラッピー・・・またまたいろんな魚を釣り上げます。
ほかにも、その土地の環境や、そこに住む人々の食べ物や暮らしぶりなどなど。
今作から同行の辻調理師専門学校、谷口教授による現地の食材をつかった料理(なかでもドアをまな板にしたオヒョウの姿作りはお見事)や、「オーパ!」でおなじみの写真家、高橋曻氏の写真も多数収録されています。
オーパ、オーパ!!〈アラスカ篇 カナダ・カリフォルニア篇〉(集英社文庫)
オヒョウ(ハリバット)
牛なみの力でゆっくりゆっくりと海底から円を描きつつ、走りつつ浮揚してくるこの怪物の重圧に耐えるには、私の腕と、肩と、背筋、腰筋、臀筋はあまりにも薄弱である。
スタージョン(チョウザメ)
一億五千年前を釣ったのだ。
気の遠くなるような時間を一瞬に私はさかのぼり、種の奔流と混沌のさなかをこえて一時代に到達したのである。
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